TypeScriptを使った開発で、「Property ‘completed’ is missing in type ‘{ title: string; userId: number; }’ but required in type ‘TodoType’.」というエラーに遭遇したことはありませんか?
このエラーは、型定義に関する典型的なミスが原因で発生します。この記事では、このエラーの原因を具体例を挙げながら解説し、解決方法をステップバイステップで紹介します。
・エラーの原因
例えば、以下のような型定義とコードがあるとします。
type TodoType = {
title: string;
userId: number;
completed: boolean; // 必須プロパティ
};
const todo: TodoType = {
title: "Learn TypeScript",
userId: 1,
// completed プロパティが不足している
};
このコードをコンパイルしようとすると、以下のエラーが表示されます。
Property 'completed' is missing in type
'{ title: string; userId: number; }' but required in type 'TodoType'.
エラーの意味としては以下の通りです。
・TodoType 型は title、userId、completed という3つのプロパティを持つことが期待されています。
・しかし、todo オブジェクトには completed プロパティがありません。
・このため、todo オブジェクトは型 TodoType を満たさず、エラーが発生します。
・エラーの解消方法
① 足りないプロパティを追加する
最も基本的な解決方法は、completed
プロパティをオブジェクトに追加することです。以下のように修正します。
const todo: TodoType = {
title: "Learn TypeScript",
userId: 1,
completed: false, // 必須プロパティを追加
};
これで型 TodoType
を満たすようになり、エラーは解消されます。
② プロパティをオプショナルにする
場合によっては、completed
プロパティが必須でないケースも考えられます。その場合、型定義を以下のように修正し、completed
をオプショナルプロパティ(任意のプロパティ)にすることができます。
type TodoType = {
title: string;
userId: number;
completed?: boolean; // オプションに変更
};
この変更により、以下のように completed
プロパティがなくてもエラーになりません。
const todo: TodoType = {
title: "Learn TypeScript",
userId: 1,
};
③ 型アサーションを使用する
場合によっては、todo
オブジェクトが実際には completed
プロパティを持つことが確実であるとわかっている場合、型アサーションを使用することもできます。
const todo = {
title: "Learn TypeScript",
userId: 1,
} as TodoType;
ただし、この方法は型安全性を損なう可能性があるため、最終手段として使うべきです。
④ デフォルト値を追加する
もし completed
が常に必要なプロパティで、初期化時に値を自動で設定したい場合、デフォルト値を設定する方法もあります。以下は関数を使った例です。
function createTodo(
title: string,
userId: number,
completed: boolean = false
): TodoType {
return { title, userId, completed };
}
const todo = createTodo("Learn TypeScript", 1);
・まとめ
このエラーが発生する主な原因は、オブジェクトが期待される型に適合していないことです。解決方法としては、以下の選択肢があります。
・必要なプロパティを追加する。
・型定義を修正してオプショナルプロパティにする。
・型アサーションを使用する(注意が必要)。
・デフォルト値を設定する。
プロジェクトの要件や設計方針に応じて、最適な方法を選んでください。型安全性を保つことを優先しつつ、適切にエラーを解消することで、TypeScriptの恩恵を最大限に活用できます!!